美容・健康食品でよく聞くコラーゲンですが、そもそもコラーゲンとは何なのかご存知でしょうか。
コラーゲンとは、タンパク質の1種です。
皮膚、軟骨、骨、血管、腱などに多く含まれています。
体内には体重の約16%程度のタンパク質がありますが、その中の約30%
(体重の5%程度)がコラーゲンです。
コラーゲンは3本の鎖の形をしたアミノ酸の繊維が、らせん状に絡まっている
構造をしており、伸縮性があります。
コラーゲンの役割
コラーゲンは、体内のアミノ酸を原料に作られます。
食事からタンパク質を摂取
消化酵素により、アミノ酸に分解・吸収
酵素によって体内に必要なタンパク質に作り替えられる
コラーゲンは、「ヒドロキシプロリン」「ヒドロキシリジン」というアミノ酸が豊富であることが特徴です。
これらの物質は他のタンパク質には含まれておらず、コラーゲンを作るのに非常に重要な役割と言えます。
皮膚の老化(シミ、シワ、たるみなど)
皮膚は常に生まれ変わり、古いものを捨てて良い状態を保とうとしています。
これを、肌の「新陳代謝」と呼びます。
しかし、加齢や強い外的刺激により新陳代謝が衰えると、汗を出す汗腺や皮脂腺の機能が低下してしまいます。
更に、皮膚には体内の約40%ものコラーゲンが存在するため、皮膚の機能が衰えるとコラーゲンの新陳代謝も衰えてしまいます。
コラーゲンが古くなると柔軟性がなくなり、水分が貯蔵できなくなります。
これによって、乾燥、シワ、シミが増え、皮膚の光沢やつや、なめらかさが失われていくのです。
皮膚にはコラーゲンが豊富に含まれており、「皮膚の老化=コラーゲンの新陳代謝低下」と言えるほど親密な関係です。
綺麗で若々しいお肌を保つ為には、コラーゲンが必要不可欠なのです。
骨粗鬆症
骨はカルシウムで出来ていると思われがちですが、実は他にも大切な役割を担っている物質がいます。
それが、コラーゲンです。
骨の中の約23%がコラーゲンでできています。
コラーゲンは網目状になっており、その隙間をカルシウムなどが埋めることで、骨が作られています。
コラーゲンは、カルシウムなど必要なミネラルを骨の中に貯蔵する、非常に重要な役割を果たしているのです。
しかし、このコラーゲンが減少すると、コラーゲン線維が弾力を失い硬くなります。
すると、カルシウムなどを貯蔵することができなくなり、スカスカの骨になるのです。
これが、骨粗鬆症です。
女性の場合、50代前後に閉経による女性ホルモンの分泌量低下によって、男性よりも骨粗鬆症になりやすい状態になっています。
それに加えてコラーゲンが減少すると、更に骨粗鬆症になるリスクが上がってしまうのです。
骨粗鬆症になるとつまずいたり、手をつく、力を入れる、などのちょっとした動作に骨が耐えられず、簡単に骨折してしまいます。
コラーゲンを作り出す力は30代から低下してきますので、早めに対処することが必要です。
変形性関節症
関節のクッションとなっている軟骨は、「軟骨細胞」と「軟骨基質」とで作られています。
この軟骨基質にはコラーゲンが含まれており、軟骨の支持だけでなく軟骨細胞の増殖・分化に関わる非常に重要な役割を果たしています。
軟骨はクッション性を高める為に特有の弾力と硬さを持っていますが、コラーゲンが減少すると圧力に耐えられなくなります。
すると、どんどん関節の軟骨がすり減ってしまい、炎症を起こしていきます。
最初は「なんだか最近、膝が痛い」と思う程度ですが、進行が進むにつれて膝がひどく曲がり、「変形性関節症」となります。
初期段階の痛みであれば、膝にヒアルロン酸などの潤滑剤を注入することで痛みが緩和されますが、変形性関節症にまで進行すると痛みが強く、歩行も困難になる為、手術が必要になります。
動脈硬化
コラーゲンは血管にも含まれており、血管の伸び縮みを助けたり、血管にできた傷を修復する役割を担っています。
今は社会的に生活習慣病が流行っており、動脈硬化になる人が非常に増えています。
それに加えて、血管のコラーゲンの合成が行われなくなると、血管の伸縮がさらにできなくなり、血管が硬くなるため、動脈硬化を引き起こすのです。
日本の3大死因は、「がん」、狭心症や心筋梗塞などの「心疾患」、脳梗塞や脳出血などの「脳血管疾患」です。
動脈硬化は、この心疾患と脳血管疾患を引き起こす重大な因子です。
生活習慣を見直すとともに、コラーゲンを積極的に作り出せる身体作りが必要です。